「間取り」は、本来の日本語上の意味での「間」、たとえば能の鼓が醸し出すような「間」であればよいのですが、家づくりでの「間取り」という言葉には、一般的に「部屋(ルーム)」を取っていくというイメージがあります。方眼紙を広げて、ここはトイレ、ここはキッチン、ここは寝室というように、四角い部屋を壁で仕切って、「部屋」を配置していく作業だと思われているかもしれません。しかし、このような「間取り」からは、その人の暮らし方に合った生活空間は生まれません。
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これまでずっと私が提唱し続けてきたのは、「間取り」ではなく「場取り」という考え方です。「間」ではなく、「場」を取るとはどういうことでしょうか。家は、生活するための大きな場です。寝室は本来寝るための場ですが、リビングは、食事を摂っている場やテレビを観てくつろいでいる場でもあり、あるいは人によっては、仕事の場に変わることもあるでしょう。「場取り」とは、そのようなそれぞれの生活シーンをイメージしながら、最適な場を決めていくことです。そうすれば、「間取り」という部屋の配置にしばられない、生き生きと生活できる「個」を主とした住まいの形が浮かび上がってくるのです。
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