阪神電鉄の神戸から西宮にかけての工業地帯の多くが住宅地に転用されるいっぽうで、たくさんの人が大阪や宝塚、三田など他のエリアに移り住んだ結果、とりわけ阪神電鉄線沿線の海側の土地は、震災前の五分の一程度に値下がりしたが、まだ広大な空地が残っている。住宅地の地価が大幅に下落しているのは阪神電鉄線沿線だけではない。震災前に高級住宅が建ち並んでいた山側も同様だ。かつて阪神で最も高級な住宅街といわれた芦屋市の六麓荘町は、一区画が三〇〇坪から五〇〇坪あるような高級住宅街であるが、いまは震災前の五分の一ほどの価格にまで値下がりしている。なぜそのようなことになったのか。私が学んだ神戸の甲南学園時代の友人たちと話し合ったことがある。神戸製鋼所や川崎製鉄、川崎汽船、住友金属、住友商事、日商岩井、トーメン、さらには旧住友銀行(合併して三井住友銀行)や旧三和銀行(合併して三菱東京UFJ銀行)までもが本社機能を東京に移していて、東京一極集中が進行していることが原因だろうという結論になった。阪神間の地価下落傾向にもようやく歯止めがかかった。阪神圏の住宅地では芦屋、西宮、神戸市の東部エリアの人気が高く、バブル期の上昇率も高かった。その傾向が多少戻っていて、平成一九年度「公示地価」の大阪圏の住宅地上昇率ベスト一○の多くは、このエリアが占めているが、それでも昔日の勢いはない。
[参考]
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