地面と縁側の標高差は結構あるが、縁側から畳までの間はごくわずかしがない。そのわずかの標高差を位に合わせ四つに分割してランキングした日本人のセコサというか気遣いというか……。私はサラリーマンをやったことはないので知らないが、東海林さだおのマンガによると、会社では湯呑みにランキングがあって、上から、フタ付茶托敷き、フタなし茶托敷き、フタなし茶托なし、に分かれているらしい。フタを冠、茶托を畳と考えると、古の日本のセコクかつ気遣いのあるランキング方式は、今も生き続けていることになる。
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畳のわずか数センチの高さをランキングに利用しようといういかにも日本的な知恵はいつ頃まで有効だったのだろう。平安時代の寝殿造りの段階をピークとして、次第に衰えてゆく。次の鎌倉時代になると、板の間の周辺にグルリと敷き回すようになり、さらに進むと、室町時代には、ギッシリ敷き詰められる。こうなると、効果はなくなる。もちろん庶民の間では、相変わらず畳ナシ状態が続いているが、位の上下に敏感な上層の家では、室町時代には畳式ランキングは消えた。やがて、庶民の家にも畳は進出し、江戸時代に入ると、長屋の熊さんの家でも、畳は敷き詰められるに至る。
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