(1)防水
地下に構造物を造る場合の最初の課題は防水です。土に接する床・壁・天井から水が浸入しないようにすることが第一です。鉄筋コンクリート造の場合、土に接する部分には外側に耐久性のある確実な防水層を造ることが不可欠です。防錆処理をした相当の厚さの鉄板で水密な箱を造ってしまえば防水は完全でしょう。見落としてはいけないのが、出入口部分の防水構造です。大雨の時に地表の流水が浸入しないよう、地表面から相当の高さまで水密構造が切れないようにしておくことが肝心です。
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(2)防湿
外部からの水の浸入を防いでも結露という問題が残ります。外殻の構造体つまり土に接した床・壁・天井の温度が、室内温度よりある程度低くなると、室内の空気中の水蒸気が構造体面に結露します。対策としては、二重壁とし結露した水の排水処理をすることと、二重壁の間の換気を図ることがあげられます。
(3)換気
地下室の換気は建築基準法が規定する第一の点です。からぼり(ドライエリア)に面して窓をつけて自然換気で対応してよいと認められる場合以外は、機械換気設備を設置しなければなりません。人が長時間過ごす居室では、健康に必要な酸素が欠乏しないよう、常に新鮮な空気が入ってくるようにしなければなりません。また、空気より重いガスは低いところに溜まります。プロパンガスのような引火性のガスなら爆発の危険がありますし、不燃性のガスでも窒息や中毒の危険がありますから、空気の澱むような状態をつくってはいけないのです。
(4)空調・除湿
地下室は、温度変化が地上に比べて少ないとはいっても、まったく冷暖房が不要というわけにはいかないでしょう。地下室に空調設備を設ける場合は、単に温度調節だけでなく、湿度の調節もできる設備とすることが望ましいのはいうまでもありません。防湿を完璧にしたとしても、少なくとも除湿設備は準備しておくべきでしょう。
(5)採光
からぼりに面して窓を設ける場合や地下室の天井が地表面より上にあって高窓を設ける場合は自然採光が可能ですが、そうでない場合は採光に工夫が必要です。地下に完全に埋めてしまう場合でも、上部に建物がなければ天窓を設けて自然採光ができます。それが難しい場合は、内面にミラーを貼った採光ダクトで十分な自然光を取り入れている例もあります。人工照明の場合には、人工太陽照明灯を使うと自然光に近い照明環境が得られます。
(6)避難設備
地下室では火を使用しないことにしても、火災発生の危険がゼロというわけにはいきません。また、地下室で火災が発生しなくとも、地上部分の火災のために出入口が使えなくなることも考えておくべきでしょう。万一の場合に備えて、2方向の避難路の確保は欠かせません。通常の出入口のほかに、からぼりに面した窓、高窓、天窓などが脱出口に使えるような設計を考えておくとよいでしょう。
(7)排水
地下室では、雨水等の流入防止策をとっても万一流入してしまう場合に備えて排水設備を備えておく必要があります。また、地下室にトイレや浴室などを設置する場合の排水も考えておかなければなりません。下水管が地下室より深いところにある場合は直接放流できますが、そうでないときはポンプで汲み上げなければならないので、慎重に設計する必要があります。
(8)工事の危険
地下の工事は、ビルの建設では当然のことのように行なわれていますが、住宅地で地下室を作ることは相当な危険を伴うので、十分注意する必要があります。特に、道路や隣地から2〜3メートル以内にまで接近した所に地下室を設ける場合は、土砂を掘削したところが崩壊して道路や隣地に被害を与えることがないよう、しっかりした土留め工事が必要です。また、転落防止など一般の住宅建築現場より厳重な安全管理を考えておかなければなりません。
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